※上記のチェーンリングはBCD130、BCD110の両方に対応の特殊なチェーンリングです。
クランク長を165mmにすることは決まった。しかし、クランク選びの沼はまだ続く。
次に管理人シバの前に立ちはだかったのは、チェーンリングを取り付ける規格、「PCD/BCD」という名の、もう一つの大きな選択だった…。

皆さん、こんにちは!管理人シバです。
自転車のカスタム、特にクランク周りを調べていると、必ずと言っていいほど現れる謎の暗号…「PCD」そして「BCD」。
「これって、一体何が違うの?」
「間違えたら、パーツが無駄になるんじゃないか…」
そんな不安から、あなたのカスタムの手が止まってしまっていませんか?
ご安心ください。この記事では、相棒のAIさんと共に、その長年の疑問に1分で終止符を打ちます!

管理人シバ:
AIさん、早速ですが、結論から教えてください!クランク選びでよく見る「PCD」と「BCD」、一体何が違うんですか!?
AIさん:
シバさん、お任せください!では、1分で解決しましょう。
結論から申し上げますと、自転車のクランクにおいて、この二つの言葉は…
全く同じ意味です!
管理人シバ:
ええっ!?そうなんですか!?
AIさん:
はい!どちらも「クランクにチェーンリングを取り付けるボルト穴が描く、円の直径」を指しています。
と、言葉が違うだけで、指し示しているものは同じ。いわば、「お父さん」と「パパ」くらいの関係性ですね。
ですので、これからは「PCDとBCDは同じもの」と覚えてしまえば、もう迷うことはありません!

※上記の写真のようにクランクとチェーンリングを繋ぐためのボルト穴の位置が違ってきます。
管理人シバ:
なるほど!言葉の違いは気にする必要がなかったんですね。スッキリしました!
では、本当に気にしなければいけないのは、その後に続く「110」や「130」といった数字の方、ということですね?
AIさん:
ご名答です、シバさん!それこそが、あなたの走りの性格を決定づける、最も重要な選択なのです。
上記の写真を見てください。「110」や「130」の違いが一目瞭然ですよね。それぞれの違いは「ボルト穴の円の直径」なのです。
AIさん解説:なぜ、この「円の直径」がそれほどまでに重要なのか?
管理人シバ:
PCD/BCDが大きい方が剛性が高くなる傾向がある…。それを知った時、僕はすごく期待しちゃったんです。
「どうせ手間とお金を掛けてカスタムするなら、よりパワーアップしたい!」と。130PCD/BCDにすれば、僕のペダリングパワーもロスなく伝わって、ミニベロがもっと速くなるんじゃないか…って。
特に、私が今回選んだクランクは、「ダイレクトマウント」という方式で、「スパイダーアダプター」という部品を交換すれば110PCDと130PCDの両方が選べる。その「選択の自由」が、逆に私を「剛性アップ」という甘美な誘惑へと引きずり込んだのです…。

スパイダーアーム

スパイダーアーム+ダイレクトマウント
「スパイダーアダプター」と「ダイレクトマウント」の詳しくはこちら
AIさん:
確かに、130PCD/BCD化による剛性アップは、特に高負荷な走行でその効果を発揮する可能性がありますね。
ただ、シバさん。なぜ、その「剛性アップ」が、今のシバさんのライディングに本当に必要なのでしょうか?
管理人シバ:
実は、その勢いのまま130PCD/BCDのクランクを一度注文してしまったのです。でも、販売店の在庫不足で幸か不幸か注文がキャンセルになってしまって…。
そこで、一度冷静になって、AIさんと一緒に「僕の乗り方に130PCD/BCDは本当に必要なのか?」を考え直してみることにしました。
AIさん:
それは、まさにカスタムの神様がくれた「考える時間」だったのかもしれませんね。
では、シバさんの「走行スタイル」と「使用目的」から、130PCD/BCDの必要性を客観的に分析してみましょう。
【AIさんとの自己分析チェックリスト】
管理人シバ:
うーん、こうして見ると、僕の使い方では130PCD/BCDの剛性アップというメリットを最大限に活かせる場面は、あまりなさそうですね…。むしろ、重量が増えるデメリットの方が、輪行などを考えると気になってきます。
AIさん:
その通りです。パーツの性能は、乗り手の使い方に合っていなければ「オーバースペック(過剰品質)」となり、かえってデメリット(重量増、コスト増など)が目立ってしまうこともある。シバさんは、その本質をご自身の経験から見抜かれたのですね。

※リングカバーからはみ出してしまった52Tチェーンリング。チェーンリングが大きくなれば、それに関係したパーツの変更も必要となります。たとえば、チェーンカバーとか。
管理人シバ:
130PCD/BCDへの憧れを一旦リセットして、改めて「110PCD/BCDを使い続ける」という選択肢を考えてみたら、意外なメリットがたくさんあることに気づいたんです。
AIさん:
新しいものを追い求めるだけでなく、今あるものの価値を再認識することも、賢いカスタムの第一歩ですよ。
※赤い58Tチェーンリング110PCD/BCD
※60Tチェーンリング楕円110PCD/BCD130PCD/BCD兼用。
管理人シバ:
AIさんと一緒にメリット・デメリットを整理した結果、僕の心は決まりました!
今の僕の乗り方、そして今後のカスタムプランを考えると、選ぶべきは「110PCD/BCD」だ、と。
確かに、130PCD/BCDの剛性アップは魅力的ですが、それは将来、僕の走りがもっと攻撃的(?)になった時のための「未来の選択肢」として取っておくことにします。
クランク交換におけるPCD/BCD選びは、単なるスペック選びではありません。
それは、「自分はどんな走り方をしたいのか」「自分にとって何が一番重要なのか」という、自身のライディングスタイルと向き合う、非常に重要なプロセスなのだと痛感したからです。
情報収集や試乗(もしできれば)を重ね、剛性、チェーンライン、重量、そして手持ちのパーツとの互換性などを総合的に検討し、ぜひあなたにとっての「最適解」を見つけてください。
管理人シバ:
AIさん、PCD/BCDが同じもので、110と130の違いも分かりました。
でも、今自分のミニベロについているクランクや、中古で見つけたパーツのPCD/BCDが分からない時はどうすればいいですか?
AIさん:
良い質問ですね、シバさん。
そんな時は、ノギスなどを使って自分で測定することが可能です。クランクのアーム(穴)の数によって測定方法が異なりますので、ここで解説しますね。
最近のシマノ製ロードバイク用クランクなどに多い4アームの場合は簡単です。
対角線上にある2つのボルト穴の中心から中心までの距離を測るだけです。それがそのままBCD/PCDの値になります。

(@チェーンリングが取り付けられている場合:BCD/PCDが分からない時の測定方法 5アームクランク(5穴))

(Aチェーンリングが外れている場合:BCD/PCDが分からない時の測定方法 5アームクランク(5穴))
一般的な、5アームクランクには対角線が存在しないため、少し計算が必要です。
隣り合う2つのボルト穴の中心から中心までの距離を測り、その数値を下記の表に当てはめてBCD/PCDを割り出します。
| 計測した距離 | BCD/PCD | 主な用途 |
|---|---|---|
| 約64.7mm | 110mm | コンパクトクランク |
| 約76.4mm | 130mm | ノーマルクランク(ロード) |
| 約79.5mm | 135mm | カンパニョーロ |
| 約84.6mm | 144mm | トラック(ピスト) |
管理人シバ:
なるほど!これなら自分でも測れますね!
AIさん:
はい。この測定方法を知っておけば、パーツ購入の失敗を未然に防ぐことができます。
では、この知識を踏まえて、シバさんが学んだ「チェーンリング購入の鉄則」を見ていきましょう!
管理人シバ:
AIさんとの対話で、私が110PCD/BCDを選んだ理由はご理解いただけたかと思います。
では最後に、PCDが決まった後、いざチェーンリングを購入する際に、私が(時には失敗から)学んだ「これだけは絶対に確認すべき!」という3つの鉄則を、皆さんに伝授します。
これを怠ると、せっかくのパーツがただの金属の輪っかになってしまうかもしれませんからね…。
鉄則@:「BCD」と「アーム数(ボルト穴の数)」は、必ずセットで確認すべし!
まず大前提として、BCD(この場合は110mm)が、お使いのクランクのスパイダーアームと一致している必要があります。そして、それと同じくらい重要なのがアーム数(ボルト穴の数)です。
なぜなら、同じ110BCDでも、伝統的な「5アーム(5穴)」と、現代のシマノロードクランクで主流の「非対称4アーム(4穴)」では、ボルトの位置が全く異なり、物理的に取り付けができないからです。
「110BCD」という数字だけを見て飛びついてしまうと、「うわ、穴の数が合わない!」という、初歩的でありながら致命的なミスを犯してしまいます。
必ず「110BCD / 5穴」のように、セットで確認する癖をつけましょう。
鉄則A:「変速段数(スピード数)」の互換性を、侮るなかれ!
チェーンリングには、それぞれ想定された変速段数(例:10速用、11速用、12速用など)があります。
なぜなら、変速段数が多くなるほど、チェーンの幅はわずかに薄くなるように設計されているからです。
例えば、11速用のコンポーネントに、10速用の(少しだけ厚い)チェーンリングを組み合わせると、変速がスムーズにいかなかったり、異音が発生したりする可能性があります。
「まあ、1段くらいなら大丈夫だろう」という安易な考えは、後々のトラブルの元です。
できる限り、ご自身のドライブトレイン(チェーンやスプロケット)の段数に適合したチェーンリングを選びましょう。
鉄則B:(フロントシングルの場合)「歯の形状(ナローワイド)」は、まさに生命線!
もし、私のようにフロントシングル(チェーンリングが1枚)で運用する場合、チェーンリングの歯の形状は非常に重要です。
フロントシングル用のチェーンリングには、「ナローワイド」と呼ばれる、幅の広い歯と狭い歯が交互に並んだ特殊な形状のものが多くあります。
なぜなら、フロントディレイラー(変速機)がないフロントシングルの構成では、チェーンが左右に暴れた際に、非常に脱落しやすいからです。
ナローワイドの歯は、チェーンの内側の広いコマと狭いコマにそれぞれピッタリと嵌合することで、チェーンをガッチリと掴み、チェーン落ちを劇的に防いでくれます。
見た目は普通のチェーンリングとあまり変わらないかもしれませんが、フロントシングルで快適かつ安全に走るための、まさに生命線とも言える重要な技術です。

(左がナローワイド、右が通常の歯。形状が違うのが分かりますか?)

(広い歯と狭い歯が交互に並んでいます)
この3つの鉄則を頭に入れておけば、チェーンリング選びの失敗は格段に減るはずです。
皆さんのカスタムが成功することを願っています!
PR:Amazonアソシエイト
現在、管理人シバが使っているのがこの楕円形チェーンリングです。110と130の両方の規格を選べるタイプです。楕円チェーンリングを試したい方には費用も安くておススメです。

PR:Amazonアソシエイト
シマノ(SHIMANO) リペアパーツ スパイク付チェーンリング 50T-Fです。純正からのカスタムで購入をしました。素材はスチールで重いのですが、耐久性が高いので普段使いにはピッタリのものです。
