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フロントチェーンリングを60T楕円という極致にまで高めた管理人シバ。
しかし、トップスピードという光を手に入れた彼を待っていたのは、机上の空論による失敗という新たな影だった。
彼の探求の旅は、いよいよ駆動系の心臓部、リアスプロケットへと向かう…。

管理人シバ:
AIさん、前回の記事で僕がフロントチェーンリングを60Tにしたという話をしやしたよね。
理屈の上では、これでかなり速くなったはずなんです。でも、実際に走ってみるととんでもない落とし穴が待っていやした。
無風の平地や下り坂では確かに強力なギアなんですが、湾岸エリア特有の橋を登る時や土手沿いの強い向かい風にさらされた瞬間、60Tの重さが致命的なマイナスになったんですわ。風の抵抗をモロに受け、思うようにスピードが全く伸びない。無風の平地なんて現実の道にはほとんど存在しないことに気づかされやした。
相棒のマイク(AI):
シバさん、それこそが速度アップの次のステージへ進むための非常に重要な気づきですよ!
多くの人がフロントを大きくすれば速くなると考えがちですが、それは無風の平坦路という理想の条件が揃った時だけの話です。現実の道にはわずかな向かい風や気づかないくらいの緩やかな勾配といった見えない抵抗が常に存在します。
フロントギアが大きすぎると、そのわずかな抵抗の変化に対応できず、結果としてペダルを踏む筋肉が急激に削られてしまうのです。
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管理人シバ:
だから僕は、60Tの重さをカバーしつつ平地での快適性を追求するために、リアのスプロケットでクロスレシオ(歯数差の少ないギア構成)を作ろうと考えたんです。ギアの段差を細かくすれば11速の105と同じような滑らかな効果が得られると、単純に計算しちゃったんですわ。
当時僕のスプロケットはトップギア(一番重いギア)だけを単独で交換できる構造でした。そこで互換性のあるパーツを探し、トップギアを11Tから12Tに落とし、次のギアである13Tへと滑らかに繋がる自作のクロスレシオを作ってみたんですわ。
トップギア単体なら費用も安く、これで11速と同じような快適な走りが手に入る!と誘惑に勝てずに手を出したんですが……これが大失敗でした。
トップギアを軽くしたせいでいざスピードを乗せたい時に全く伸びず、満足感が完全に欠落してしまったんです。ネットを探してもこんな改造をしているブログは皆無で、判断に迷いながらも机上の空論で突撃した結果見事に撃沈しやした。
相棒のマイク(AI):
なるほどシバさん。それは非常に痛い、しかし価値のある生きたデータです。
シバさんが失敗してしまった最大の理由は、数字上のギア比の計算だけで満足してしまい、11速105コンポーネントの本当の機械的な性能を知らなかったことにあります。

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相棒のマイク(AI):
シバさんのギア比を細かくすれば11速105と同じ効果が出るという考えは数字の計算上は正しいように見えます。しかし、11速105には数字だけでは絶対に測れない高負荷時の変速性能という圧倒的なアドバンテージがあります。
シマノ105などレース用コンポーネントには、ハイパーグライド(HG)という技術が組み込まれています。これはスプロケットの歯に複雑な変速溝(ランプ)とピンを配置し、チェーンを隣のギアへ強制的に引き込む設計です。
この技術のおかげで、105は橋の登りなどでペダルを力いっぱい踏み込んでいる最中、つまり坂の途中で強いトルクがかかった状態でも確実かつ一瞬でギアチェンジが可能なのです。
一方、8速や9速のギアを無理やり繋ぎ合わせて自作したクロスレシオでは、このチェーンを移動させる専用の道がチグハグになってしまいます。その結果、坂の途中で重いと思って変速しても、ガチャン!と弾かれたりチェーンが落ちたりするリスクが跳ね上がります。
11速105は単にギアの枚数が多いだけではなく、レースの極限状態で変速することを前提に作られた機械的なキレを持っています。新型Tiagra(LINKGLIDE)11速も初心者向けに安全な変速(ワンテンポ遅らせる)を提供していますが、105の持つ圧倒的な変速スピードと高負荷対応能力とは思想が全く異なります。数字のギア比を合わせただけで105と同じように走ることは絶対に不可能なのです。

スプロケット交換で僕が身を以て学んだ注意点を2つだけ。
ロックリングは時計回りで緩めるべし!
これ本当に大事です。普通のネジと逆なのでつい力任せに反対へ回しがち。ペダルを漕ぐ力で自然に締まるようにできているからです。工具をかける前に一呼吸おいて方向を確認しましょう。
ネジ山へのグリスアップは未来の自分への優しさ
新しいスプロケットを取り付ける前にロックリングのネジ山に薄くグリスを塗っておきましょう。これをやっておくだけで将来また外す時に固着して泣きを見るのを防げます。未来の自分のためにこの一手間を惜しまないでくださいね。
これは今回のBB交換で辛い体験した固着の学びです。
管理人シバ:
AIさんありがとうございやす。数字の計算だけではどうにもならない機材の性能差があることは、身銭を切って失敗したからこそ痛いほど分かりやした。
だからこそ僕は11速の105(11-32T)を選んだんですわ。トップギアの11Tを残してスピードを維持しつつ、湾岸エリアの橋や向かい風の土手という見えない坂に対応できる緻密なクロスレシオと、いざという時にフロント58Tの重さを助けてくれる軽いギア(32T)の両方を高い変速性能のまま手に入れるために。
相棒のマイク(AI):
ご名答ですシバさん!
これを冒険に持っていく道具箱に例えてみましょう。
自作で無理やり組んだ8速や9速のシステムは、基本的な道具しかないのに無理やりマイナスドライバーを削ってプラスドライバーの代わりにしようとしているようなものです。平坦な道ならなんとかなっても、予期せぬ強い向かい風や橋の激坂が出てきた時、対応できる正確な道具がありません。
一方11速105のシステムとは、基本的な道具に加えていざという時に役立つ専用の特殊工具まで揃ったプロ仕様の大きな道具箱です。
どんな風が吹いてもどんな坂が現れてもこの道具箱(11速105)があれば最適なペダリングを維持できるという絶対的な自信。
この安心感こそが、知らない脇道の先へ行ってみようという純粋な好奇心を引き出し、シバさんの冒険の幅を無限に広げてくれる最高のツールになるのです。数字の計算ミスという失敗があったからこそ、この11速の真価に辿り着けたと言えますね。
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